<< オリジナル小説「からくり人形は星を描く」 53 | main | オリジナル小説 「からくり人形は星を描く」 54 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


  • 2011.04.10 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

裏オリジナル小説「 星らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形 」 40


らヲ才苗くノヽカゝ<‘
}人形


◎裏小説。
◎碧落読まなきゃ分からない
◎ってか読み終えなきゃのほうが正しい。
◎いつもどおり誤字脱字。
◎携帯から読めるかどうかは知らない。

以上、かな。
 

--------------------------------------------------------


 
40−≪ 掟 破 リ ≫

目の前には少女が居た。少女の名はレマ、であるはずだった。
先程のこともあり僕は彼女が『レマ』であるか自信を持って宣言は出来ない。
変わって点は一つだけあったが、それを除けばか細い少女はあの時と変わらない姿だった。
そう、彼女は目に傷をおったらしく包帯をしていた。その様子はどことなく彼を思わせた。


「君は僕を知っているっと答えたね。羽衣石 斗を知ってると。」


レマは答えない、小さく俯いただけだった。
それでも、僕はレマに問いかけるように言葉を続ける。


「じゃあ秤っていうのはなに?どうして、そんな事をするの?」


レマは、はっとなったように顔をあげた。
それから何か言おうと口をあけたのだが、何も決まらないようにパクパクと閉じたりあけたりした。
包帯まみれの手で唇をなぞるようなしぐさをして、困惑した表情を浮かべた。
この一連の動作は、まるで何か言おうとするが口止めされているみたいだった。

「言えないの?」

僕の問いかけにレマは決意を決めたように、まっすぐした瞳でこちらを見た。


「私が、私、で、なくなる、かもしれ、ない。其、や、心が、言う、なってッ!で、も」


レマは途切れ途切れに言葉をつむいだ。いつもと違い切羽詰ってるのか目には涙を浮かべている。
僕は直感的に、レマがその口止めされている事を言うと取り替えしのつかないことになるような気がした。
レマを止めようという善意のある回答と口封じをされる程までの事実を知りたいという好奇心が僕の中で渦巻く。
天秤の傾きは確認するまでもなく前者だった。
前回の過ちもあり好奇心だけで行動するのは浅ましい。

「いいよ、レマ。無理をしなくて。」
「いい、言う。言え、る。言わせて、お願い。」


レマは頼むようにそう言った。僕は渋々頷いてレマの話を聞くことにした。
本当に取り返しのつかない事になるのなら口をすぐに塞げばいい。
それだけだとその時はそう思っていた。


「・・・、あなたは、死んでいるの、秤。」


僕はレマの宣言になにも言えなかった。
馬鹿げているだのどうしてだの全ての言葉を投げ捨てて、なにも言わなかった。
それは絶対的な否定からもあったが、妙に納得してしまっている自分もいたからだろう。


「秤は、マスター、学文路 之の、実験材料となった、名もない、少年。羽衣石 斗の、兄。」
「・・・兄?僕が・・・?」


レマの言ってる意味が分からなかった。
分かるはずがないぐらい思い当たる節がない。
一体誰の話をしているのだろう。そんな気でもする。僕が死んでいる?羽衣石 斗の兄?
・・・まったくもって信じられないし、実感もない。いや、実感はあるものかもしれない。
実感がある自分や納得する自分に僕自身疑問を抱いている。
けれど、どう考えても回答はでない。

「そう。少年は、名前をつける前に、死んでしまった、の。だから、貴方は、弟の名で、呼ばれた。」


喋るのがつらくなってきたのか、喉を押さえてしかめっ面になるレマ。
包帯の巻いた片目は血の色に染まる。そんな少女を僕は心配とそれとは真逆の冷静な目でみた。
レマに会った時からそうだった。これは夢の世界なんだと、それでも信じて生きてみようと。
これを信じたら僕はどうなるんだろう、信じてたものが全てなくなる。一体全体なにを信じればいい。
信じるものがなくても生きていける事を知っていても、自我を失うのはやはり怖かったのである。


「学文路 之は、あなたを、世界を認識する、2年前に、知った。
                                                          わずか3歳の、少女が、あなたを、助けた。」

「そんな非常識な話・・・。」

「ある、の。あなたは、ずっと、弟を、待つため眠っていた。馬となり、鹿となり、猫、鷹、蛇となり、
それこそ、狐、の様に、化けて、弟に、会いにいった、の。あなたは、羽衣石 斗、の・・・」



言いかけたレマの言葉は続かなかった。否、続けられなかった。



銃音が虚しく部屋に響く。

火薬の独特な匂いと白い煙が少女の体からたちこげる。
レマはもう一度話そうと口を開いたが、溢れ出す血で喋る事はおろか閉じる事さえも出来ない状態となった。
どこを撃たれたのかは分からないが一番醜い死に方になっていた。
僕はレマに駆け寄った。悲しい程無力な腕の中に少女の死骸が息をする。
死骸はもちろん息をしないが、この状態は息をしていると表現すべきだと僕は思った。
生ぬるい血や白目をむき一回転した瞳も口から溢れ出した臓器もそれらに絡まった舌も息をしていた。
生気のないハズの体はまだどこか動いているように思わせた。そんな夢話、決してないのに。
彼女の言った事を確かめる手段はない。
それでも、こんな姿になるのを見越してまで言った言葉に偽りなどないのだろう。
哀れな人形の前に亡霊の僕は無機質な涙を落とした。
そして彼女の言葉を彼女に語りかけるように続けた。

「羽衣石 斗の兄だから、ね。」


言葉にすると、とても頼りなく悲しかった。と、同時に改めて少女に対する感情が芽生える。
僕が殺したようなものだ。どうしてこんな可愛いらしい少女が死ななきゃならなかったのだろう。
そもそも誰が殺したんだ。
いや・・・心当たりはある。しかし、僕はそいつを見たら赦せる気がしない。
きっと憎悪の念しか抱けない。
レマと話したいことももったあったし、遊びたいことも、謝りたい事もあった。
全てのレマの未来を奪った人間をきっと僕は赦せないだろう。
自分のせいで死んだ事実をすりかえたいんじゃない。
確かに僕も悪い。
けれど・・・けれど、引き金をひいたのはヤツだ。僕は静かに腕の中の少女から目線を外した。

・・・・あぁ、見るんじゃなかった。



そう後悔した時にはなにもかもが遅すぎたのだ。




スポンサーサイト


  • 2011.04.10 Sunday
  • -
  • 19:56
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
サイト
裏ブログ
初音ミク
selected entries
categories
archives
recommend
links
profile
search this site.
sponsored links
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM
JUGEMのブログカスタマイズ講座