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  • 2011.04.10 Sunday
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裏オリジナル小説 「 星らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形 」 39


 
らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形


◎裏小説。
◎碧落読まなきゃ分からない
◎ってか読み終えなきゃのほうが正しい。
◎いつもどおり誤字脱字。
◎携帯から読めるかどうかは知らない。

以上、かな。
 

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39-≪ 交 差 点 ≫



そこは教会のようだった。ステンドグラスに光が差し込み木造の長椅子が規則正しく並んでいる。
真っ白なパイプオルガンは光を浴びいきいきと背筋をはって演奏者を待っていた。
主祭壇には誰もおらず、婉曲状のガラス窓から光を受けて輝くだけだった。
天井はどこまでも突き抜けて高く、柱は堂々としていながらも何所か繊細なデザインだ。
空気そのものを浄化させる神秘的な雰囲気が教会の隅から隅まで広がっていた。



                                             何を奪おう
「謝罪?感謝?祈祷?一体キミは≪何をしよう≫としているんだい?」

誰も居ないはずの主祭壇にいつの間にか長い白衣をはためかせて一人の女性が座っていた。
声の先を辿ると一人の幼い少女に行き着いた。年は10歳前後だろう、幼さの抜けない顔だった。

「・・・あなたは誰?」

   覚えている                                          愛したくて      助けてほしい     神
「≪知っている≫くせに、嫌なガキだ。キミが≪壊したくて≫、≪砕きたくて≫、≪僕≫だよ。」

女性が言葉を発した途端、オルガンが独りでに動き始めて聞くに堪えないでたらめな音を奏でる。
誰も居ないはずなのに鍵盤はでこぼこの位置をかえてちぐはぐなメロディーを奏で続ける。

「・・・学文路 之。」
              人形          祈っている          愛したい        何もない
「ねぇ、≪キミ≫。僕を≪憎んでいる≫?≪殺したい≫?≪壊したい≫?」

少女は動じない。一方学文路は祭壇の上で片足を抱え、もう一方の足をぶらつかせている。
それでも暇なのか学文路は自身の短く整った髪を弄んだ。少女はただそんな学文路を見た。

「・・・そうだと答えたらなんになるんですか?そうじゃないと答えれば・・・。」

    勝手にすればいい
「≪何にもならない≫よ。」

少女の言葉をすべて聞く前に学文路は弓矢の様に言葉を突き刺した。
少女の長い髪が揺れる。大きな目には不安の色がにじみ出た。
「・・・じゃあ、なんで此処にいて、私に声をかけるの?」
「さぁ、知らない。感じない。分からない。しいて言えばもう、覚醒の時だったんじゃない。」

飾り気のない言葉にオルガンの音が止む。教会は再び静寂を纏う。
しかしそれが気に入らないように、学文路は指先で座っている祭壇を白衣の上から叩く。
トントンとリズミカルで頼りない音が教会に小波のように響く。

「・・・なにそれ。わけわかんない。私を殺してまで、それなの。」

     居なかった                                      殺害した          怨んで
「≪死んでいた≫じゃないか、既に。僕が≪生かした≫ことに≪感謝して≫ほしい気分だよ。」

学文路の話に少女は不満そうに頬を膨らませた。
更に少女は逆光を浴びて見下す学文路にいらついたのか少しだけ移動した。
学文路は気難しい少女を鼻で笑いながら、その場を動かず指先だけリズムを刻んだ。

「・・・生きていることに感謝なんかしない。こんな状態でどうしろって言うのよ。」

投げ捨てるように少女はそう言って、彼女のから斜め位置に当たる席に腰をかけた。
スカートの裾が気に入らなかったのか再度少女は立ち上がり、整えながら着席した。
その様子に学文路は仕方なさそうに指の動きを止めて、長い息を吐いた。


 
                              雪上の冰点人形
「まったく面倒なガキだ。≪ 伊予本  京  ≫の言われた通りにすればいいじゃないか。
            神        頼み                                                               空輪の光風人形
だから≪僕≫に≪会い≫にきた。違う?間違え?異論なら反論をどうぞ。≪ 小波津 光 ≫。」

学文路の発言に光は黙った。その様子に満足そうに学文路は笑う。

「なんだってどうぞ。僕はなんでも叶えられる。この世界は僕のもので僕が作ったのだから。」

世界の創作者は悲しそうな笑みで楽しそうに話す。
光は唇をかみ締めながら何も言わない。

「さぁ、どうしたい。気高い一国の姫?誰にでも愛される少女?
悲しい音を支配する魔女?それとも、・・・伊予本 鈴の妹かい?」

耳鳴りのような甲高い音がなった。
少女は、光は、学文路の目を目掛けて小さな指を突き刺した。
あと2ミリほどで虫も通れないような間しか彼女の目と光の指先は開いてなかった。
学文路は口元をニヒルに歪ませた後、くっと体を後ろにそらした。
障害物のなくなった光が真っ直ぐに少女の瞳に届く。眩しさのあまり光は目を瞑った。

「きゃはは。眩しいよね。ぶっちゃけ僕も眩しかったりするよぉ。」

学文路の口調はどことなく、この世界ではないどこかの双子を思い出されるようなものだった。
光はゆっくりと後ずさりして元の位置まで戻った。学文路も何事もなかったように体を戻した。
振り子の様な動きについていけなかった髪を丁寧に学文路は整えていった。

「ねぇねぇ、どうして?家族がほしいの?それとも彼が、雪上の冷却人形がほしいの?」

好奇心に満ちた口調であったが学文路の瞳は虚無的でどこかさめきっていた。

「兄なんてもってもつまんないよ。僕のところが実際問題そうだし。」
身内話をする学文路はギニョールを創り出し三体の少女をつくった人だと思えないぐらい平凡だった。

「分からない。分からないよ・・・。」

    生きて         考えられない                   人形だ               辿りつけない
「≪死んで≫、≪分からない≫の?それとも≪自我ない≫から≪考えられない≫の?」

話がずれていることを分かりながらも学文路は問いかけた。
それは好奇心からというよりも別な感情からのうように伺えた。
光は必死で言葉を思想を探し出す。人形だから、死んでいるから。
それはそうだけど、恵那月 宵だって死んでいる。でも、彼女は今までと変わってない。
病弱ながらも弟が生きているから?でも、弟が葉月だとしても宵姉は気にした様子じゃなかった。
ちょっと楽しみが増えた。
その程度だ。この前話した冰点だって実の兄がいてもたいした様子じゃなかった。
私は、というとこの前冰点に会った時の問いをまだ握り締めている。
自分の居場所、理由、存在価値。


           そ ん な も の
「≪すべて無意味で無駄で無効に満ちた戯言≫さ。さて、キミはどうしたいんだっけ?」
「ギニョールに居続けたい。」
少女の答えに神はゆるやかに笑った。


「お安い、御用さ。」
迷える少女に光が柔らかく差し込み、教会は再度静けさに包まれた。



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