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  • 2011.04.10 Sunday
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裏オリジナル小説「 星らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形 」36



 らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形


◎裏小説。
◎碧落読まなきゃ分からない
◎ってか読み終えなきゃのほうが正しい。
◎いつもどおり誤字脱字。
◎携帯から読めるかどうかは知らない。

以上、かな。
 

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36-≪ 線 と 点 ≫


メトロノームのような規則正しい機械音とランダムで不規則な心臓音が響いていた。
気紛れに鳴る心臓音を記憶すべく小さな液晶の中でグラフがジグザグに動く。
音は途切れ途切れだが、もう一つ存在した。血液が焦らすように落ちてゆく音。
血はパイプの中を潜り透明な管を滑るように流れ、ベットに寝ている少年に吸収された。
そこは病室だった。真っ白な部屋の中に小柄な少年が虚ろな目で横たわっていた。
少年の体は先程の管の他にも無数存在していた。足、腕、腹部ありとあらゆる場所がつながれていた。
息をするたびに少年の口と鼻を覆うようなマスクは薄っすらと霧のように曇っては晴れていく。


自動ドアは横にスライドし開いた。中からは背の高く凛々しい女性が現れた。
「実は此処に来るの止められいたんよ。いやいや、大変だったのぉ。」
わざとらしく笑い腰あたりまである長い髪を揺らしながら少年の傍に寄った。
少年の虚ろな目はゆっくりと蝶を追うように女性へ向いた。少しだが瞳に生気が戻り始めた。
「らしくないのぉ。まったくもって。どうだかりゃ?あちらへ戻りたい?」
にやにやと笑って管の間を上手に抜けて少年の頭を撫でた。
少年は通常より強くマスクを曇らした。その様子は必死で答えるようにも見えた。
それに応対するように女性はポケットから鍵を取り出した。

「がっちゃん。」
アンティーク調の鍵を女性は掛け声ともに右に45度ほど手首を回した。
少年は鍵を生気の戻りかけた目で凝視した。先程よりも息も荒い。
「・・・なんっつーて。冗談さぁ〜、あっしにそんな力はありゃせんよ。」
クスクスと忍び笑いをして女性は鍵を握った手をポケットへ戻した。
少年は開きかけた目を元の位置までゆるやかに降ろした。
「・・・あっしにはなんもない。しかし、もうお向かいの時間さ。」
ベットに横たわっている少年から目線をあげて女性は遠くを見た。
真っ白な部屋は光に満ち溢れて、新たな白に飲み込まれていく。
聞こえていた音も遠く、管や医療機器の影も形も全て、新たな光に浸食された。


再び影が戻った時には世界は生まれ変わっていた。
先程とは正反対な薄暗くぼんやりと明かりが頼りなく光る部屋だった。
二人が互いの顔を確認するより前に電気の流れる音が二・三度短く響き電気がついた。
急に明るくなった部屋に、女性は・・・レコル・シャルツは眩しそうに目を細めた。
「お帰りなさい。待っていた、というべきかな。」
楽しそうに手を叩いて二人を迎えたのは≪雪上人形≫またの名を≪喜界島 心≫だった。

「くかーっ!体がっ!鍵が!葉月きゅんが!部屋がぴかぴかでくろくろ真っ黒で、くかーっ!!」
初めて手品を見たように興奮した様子で必死に説明しようと少年は・・・≪月ノ葉人形≫は話す。
うまく伝えられずもどかしいのか「くかーっ!」と雄たけびを上げて手をぶんぶんと振り上げた。
「おい、雪上。あっしは、あのまま病室で寝てるほうが静かで良かったぞい。」
「個人的には彼の五月蝿さで困り嫌がり煙たがる冰点を見たいからいいのさ。」
「悪趣味なこうって。」
二人の話に完全に耳を傾けてない様子の葉月は自身が生きているのを確かめていた。
頬を引っ張り耳を触り二・三度ジャンプしてバットの素振りをしたり様々な動きをした。
走り回る葉月は一時動きを中断し、静かに一点だけを凝視した。
部屋の中心部から小さな穴が空いて、舞台の大掛かりな装置の様に動いていた。
雪上がいつの間にか操作してるらしくパソコンの前に陣取っていた。
一度消えた床は、隠した青年をつれて再度姿を現した。葉月はそちらに向かって走りだした。
それに気がついたレコルが間に入ろうとしたがとき既に遅かった。


「ここは何処・・・ってちょっと、ストップ!今すぐ停止して!」
足音を察知して叫んだ忠告はあっさりと無視をされ勢いよく葉月は青年にダイブする。
衝撃を受け止められずに青年・・・≪雪上の冷却人形≫は目隠しをしたまま倒れた。
「くかーっ?おめぇー、にょろにょろ眼鏡じゃねぇーかっ!ご無沙汰なんだぜ!感謝しろぉ!」
葉月は起き上がる事より目の前の冷に興味を示したらしい。更に抱きしめるようにする。
「葉月君、分かってないでやってたの。知らない人を見たらもう少し警戒した方がいいよ。」
目隠しをしてため表情は分からないが口調からして少々あきれ気味だった。
「くかーっ!スペシャルゴージャススーパー葉月きゅんは見抜けてたんだぜ!」
「先程とは真逆ではないかのぉ。演技かりゃあ?」
思わず口を挟んだレコルに思いっきり葉月は頷いた。

「・・・葉月君、君は宵姉が実の姉だって知ってどう思った?死んだ姉が幻想で・・・」
冷の発言で空気ががらりと変わった。それでも声を潜めて、言いずらそうに残りを続けた。
「・・・君のした事は誰かの手の上で踊らされてるって分かって。」
「くかっ?そんなもん、葉月きゅんの前では無意味なんだぜ!気にするほどじゃない話なんだぜ!」
苦そうに言った冷に対して、一瞬だけ顔をしかめた後葉月はそう言った。
葉月は冷の後頭部に手を回して、彼にだけ聞こえるように耳元で低く小さく言った。
「・・・本当は恨んでるさ。彼女の事は。」
そう言ってすっと体を離そうとした葉月を目隠しをしたままの冷が引き止めるようた。
目が見えないため髪を触ろうとした手は葉月の頬に触れた。
「・・・宵姉に同じ質問をしたんだ。そしたら嬉しいって答えてたよ。」
「くかーっ!そっちじゃねぇーよ!ぐるぐる違うんだぜ!」
葉月は軽く笑って冷の手を自分の手そして頬で挟み込んだ。
暖かな少年の体温と低温の青年の温度がゆるやかに交わる。
が、その刹那二人は引き離された。葉月の脇から手を忍ばせて強引に立ち上がらされる。

「じゃれ合いはそこまでにしておけ、恵那月 葉。」
か細い雪上は葉月を開放しながら、にこやかに注意をした。
葉月が降りて自身も体勢を戻そうと冷は手探りで床を探す。
「・・・これは前回の皆は何処にいる、の回答ですか。」
「察しのいい子で助かるよ、我が人形。しかし、その後は知る必要はない。」
雪上は満足そうに、ゆるく笑った。

「・・・何故なら、今回は”君”が選ばれたわけではないのだから。」

語るような甘いささやきは部屋に反響し、全員の耳に届いた。



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