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  • 2011.04.10 Sunday
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裏オリジナル小説「 星らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形 」 33


らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形


◎裏小説。
◎碧落読まなきゃ分からない
◎ってか読み終えなきゃのほうが正しい。
◎いつもどおり誤字脱字。
◎携帯から読めるかどうかは知らない。

以上、かな。
 
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33-≪ れ ま が ≫

 

                    国王          祖母          亡き者
「こんにちは。≪ 私 ≫に、≪ 僕 ≫に、≪ れま ≫に会いたかったかい?」
水面に写った私がそう話しかけた。水はどこまでも浅く広がっている。
見渡す限り水に満ちていた。深さは手がすべて浸る程度。
「会いたかった、よ。」
私は水面に浮かぶ私の顔に向かって答えた。
写っている私は包帯をしていない。しかし、その目は正常と呼ぶには程遠かった。
「そうか。僕も君に、君たちに会いたかった。歓迎し絶望し平坦としているよ。」
私は彼女の言っている事が分からず、首をかしげた。
その様子に手で口を少し覆うように彼女は上品に笑った。

  
                                                                      私
「いいのさ、気にするな。それで用があったのだろう?≪ 人 ≫を蘇らせてまで、の。」
私を頷き、言葉を紡ごうとした。−・・・彼女に会ってくれないか、と。
しかし実際に出た言葉は違った。
「貴方が私の父にして殺された国王ですか?」
風が吹いた。弱々しく少し生暖かい風に撫でられるように水は波を起こした。
小さな波は私の手にぶつかり、水面に浮かんだ私を壊していった。
風が止んだ。波は遠くの方でまだ追いかけっこのように続いている。
目線を下へ戻した。私の顔はなかった。

「・・・あぁ、そうだ。アレは私が望んだ行為なのだよ。」
私の顔ではなく、私に飲み込まれた人形の顔をしていた。
表情はどこか悲しそうな顔をしていた。
「騙したわけではなかったのだよ。ただ、そう。終わりたかっただけなのさ。」
「終わり、を?何を、おっしゃってるんですか!?私は、私はっ。・・・・私は。」
私の目から透明な水滴が垂直に落ちた。ガラス細工にも似た輝きを放ちながら静かに落ちていった。
涙が落ちると水面は新たな息吹きが入ったように震えだし、やがて元に戻った。
「『レマ』の名をつなげる為さ。君たちが生まれて来てしまった事は申し訳ないと思っている。」
もう顔は写らない。先程の一滴を先行に次々としょっぱい水が私の目からあふれ出す。
止まらない止まらない。泣かなかった私の分も涙は落ちる。


「申し訳ない、じゃないよ。そう、じゃなくて。どうして、彼女に会って、あげなかったの。」
私の声は震えていた。水をつかもうと手を握って胸の前まで持ち上げた。
手の両脇から水が砂時計のように毀れ落ちていった。
「いずれ消えて溶けて亡くなる命だ。今回も、これで最後だ。」
ふと後ろを振り返ると彼女が居た。実体ではない。
水のようにどこまでも透き通り、切る事もつかむことも出来ない存在。
「不知火のように、両親のように、王のように、あるいは学文路、または秤のように。・・・君のように。」
水は微笑んだ。なんの思いもなく、水のように軽い笑みだった。
私は何かを言おうと思い結局何も言えず、ぽっかりと口を開いたままだった。
「消える。あぁ、残念で残酷だが当然の流れで消える。・・・ここにいるのだって奇跡なのだよ。」
彼女は音もなく消えた。水は内側から破裂したように、ふくらみ割れて湖に戻った。
また風が吹いた。今度は冷たい風だった。私の髪を撫でて水平線を辿った。
「・・・私の孫は君たちを哀れんだのかもしれないな。
                                                     記憶も世界もなく自分の傲慢で創ってしまった人形を。」
私は視線をぐるぐると回したが、彼女は見つからない。
声は確かに聞こえている。私の目線は行き場をなくし、真下の水に収まった。


「だから記憶を世界を両親を与えようとした。・・・しかし、何があってもそれを許すな。」
「えっ、?」
「彼女を、孫を、学文路 之を許さないでほしい。彼女の行為は間違っていた偽善で嘘にまみれていた、と想い続けてくれ。」
声は力強く水面に波をよんだ。そのまま永遠にも刹那にも近い瞬間を過ごした。
あったのは小さな揺らめきと静寂だけだった。
「・・・れまは星になるのだよ。」
静寂にそったようなか細い彼女の声が聞こえた。
その声は年相応に掠れてしゃがれていた。先程までとはまるで真逆だ。
「星、?」
「あぁ、そうさ。我が分身の君もそう。夜空を彩る道標さ。世界が迷わないように存在する。」
「世界は、迷うの?」
「時空を迷い戸惑って隔離されてしまう。星はその架け橋さ。いわば戻るためのワープポイント。」
私は彼女の言葉をかみ締めようとしたが、よく意味は分からない。
情報が不足しているからだろうか、分からない。理解できない。


「ねぇ、れま。あなたは、何をしようと、したいと、思っている、の?」
「思ったところで何も出来やしない。でも、できるのであれば・・・・。」
触れる事ができないはずの彼女。しかし、彼女はしっかりと私を抱きしめた。
後ろから抱きしめた。体温はなかった。冷たくも暖かくもなかった。
「みんなの幸せを願うよ。」
そういって彼女はしょっぱさの残る水の中に消えていった。



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