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  • 2011.04.10 Sunday
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裏オリジナル小説 「 星らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形 」 31

 

 らヲ才苗くノヽカゝ<‘ }人形


◎裏小説。
◎碧落読まなきゃ分からない
◎ってか読み終えなきゃのほうが正しい。
◎いつもどおり誤字脱字。
◎携帯から読めるかどうかは知らない。

以上、かな。
 

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31-≪ 未 到 達 ≫

 

「・・・ずっと疑問に思っていたんですが、魔石って必要だったんですか?」

目の前が真っ暗な中、僕は言葉を発した。世界に光が存在しないかのように影も形もない。
的確に言うなら僕の世界だけ、暗黒だった。
そして簡略化して述べるのなら、僕-・・・伊予本 鈴、
またの名を≪雪上の冷却人形≫は今現在、目隠しをしていた。

この行為の意味は一切不明。主である雪上の命令な上、
マスターである樹さん(ただし前回の例もあり本人であるか不確定である)も
それに同意した形で僕はそれを受諾する道しか残されていなかった。
目から頭までぐるっと一周、強く締め付けられて正直痛い。
黒い分厚ベルトが僕の視界をふさいでいた。
問いに対する答えが一向に返ってこないので、僕は暗闇に更に問いかける。

「そもそも『レマ』が存在するなら意味がないんじゃないですか。なんで”彼女”はわざわざ・・・。」
残りの言葉を言う前に異変に気が付いた。
視界は見えないため完全に確定できないが誰かタバコをすってる。
鼻は敏感な方なので、おそらく正しいだろう。喉や鼻に煙が入り込み軽く咳き込む。

「死なない人間を必要とした・・・・からじゃないかな,確証は出来ないよ・・・。あの、その、ごめんね。」
いつもよりしっかりと話す樹さんだか相変わらず自信なさ気だ。
タバコの要因はもちろん、この人ではない。
目の前が見えなくても、樹さんの様子は手に取るように分かる。
きっと今も少し困ったように下を向いてるのだろう。

「逆だよ、我が人形。『レマ』を存在する為の魔石であり、樹の言うとおり生き続ける研究の為さ。」
いちいち癇に障る言い方をしてくるものだ。しかし、そのような事で腹を立てても意味がない。
残念ながら主の命令は絶対であるという僕にとって不本意な掟が存在する以上、
激怒しても仕方ない。
ちなみに、この人もこの煙の原因ではない。
いつも通りゆるやかに笑い、髪をかき分けているのだろう。
「永遠の命を欲して魔石という概念にでた、とうことですか。だったらなんで、『レマ』が・・・。」
「・・・かったるいが、教えてやんよ。『レマ』は人の名であり、人形で、魔石を止める薬だ。」
「いい加減、タバコやめてください。安芸村と宵姉に言いつけますよ。」
「はっ。若造が何言っても恐かねぇーよ。」
そう言ってまた長めに息を吐き出した音がした。
何も見えないが、今きっとここには煙が充満しているだろう。
これ以上、樹さんを困らせないでほしい。
ただでさえ小さいのに、これ以上健康を害して誰が得をするというのか。
第一、僕が不愉快だ。目隠しがなかったら、今頃炎さんを睨んでいただろう。
そんな事を考えながら、頭の中で炎さんの言葉を整理する。『レマ』は人間で、人形・・・初耳だ。


「ふふっ、そうかそうか。『レマ』に会っていないのか。彼女は実に可愛らしい人形だよ。」
「その口ぶりでは会ったんですか。」
「会ったは会ったが、かなり嫌われているらしくてね。ふふ、其と私には特にな。残念だ。」
新たな名が挙がった。どうやら僕の知らないところで世界は急速に変化していたらしい。
残念と思うより取り残された感じで胸がいっぱいだ。
ピースもないのにジグゾーパズルをしてる気分だ。

「あのね、人形の『レマ』が生きるために『レマ』が必要で、
                                                      人間の『れま』が生き残るために魔石が必要ってこと。」
樹さんが精一杯説明してくれるところ悪いが、僕にはあまり理解できない。
頭の中で分かるところだけ整理して、疑問点を口にした。

「つまり、人形の『レマ』と人間の『れま』は別人であり、用途が違うっということですか?」
「ふふ、まぁ概ね正解だ。学文路 故(カムロ ユエ)こと人間の『れま』の生存が第一とされていた。」
「学文路・・・・。≪不確かなる二重奏≫の親類ですか。」
そう言えば雪上本人の口から、学文路を名乗るものは一人ではないと言っていたな。
「あっ、うん。そうなんだ。・・・彼女の亡くなった祖母なんだ、それで、其は彼女のお兄さん、なの。」
「寿命を延ばそうとするため魔石を作った、と言う事なのでしょうか。」
なんだか話が少しずつだが繋がってきた。霧の中にようやく形らしい形を見つけたって気分だ。
まぁ実際は目の前は依然として真っ暗なのだが。
そうだよ、と細々としたか弱い樹さんの声が耳に届いた。
だとしたら一つ目はクリア。もう一つ目の謎は・・・っと頭をめぐらそうとしたが、やめた。頭が痛い。
「ふふ。笑みが消えてるぞ、我が人形。他の理由がお望みとあれば答えよう。」
「まだあるんですか。」
「・・・”からくり人形”の物の怪、そのものを生み出す為だ。しかし、これは此処には関係ないことだ。」
自称詞ではなく場所を指す言葉を用意たのは気になる。
けれど、関係ないと言い切られたので首を突っ込むべきではないのかもしれない。
・・・・だがしかし、僕は雪上をあまり信用していない。
疑念を抱いた僕に気が付いたのか樹さんが、安心してと後押しをしてくれた。
そもそも樹さんも炎さんも雪上と同じだけの情報を知っているのか僕には気になって仕方ない。

いや、的確に示すならば、どうして三人が知っているのに、僕は知らないのだろう。
・・・僕だけじゃない。皆もだ。
ずっと聞くのが恐くて後回しにしていた問題。皆何処に居て何をしているのだろうか。
そして目の前に、否、会話しているのは本当に雪上と樹さん、炎さんなのだろうか。
僕は決意を固め、前者の問いを口にした。
「皆、何をしているんですか?
光は、宵姉は、安芸村は、葉月君は、冰点は?皆はどうしてるんだ。無事なのか。」

誰も問いに答えない。それでも暗闇にひたすら問い続ける。
僕の声はいつもより気のせいか大きく必死になって言葉を投げかけているようだった。

「そもそも何で物語は続いてるんですか。≪不確かなる二重奏は≫は、一度現代に戻った。
そして・・・」
僕はあの日の記憶を改めてなぞりだすように思い出しなが話す。


「そして僕やあの時死んだはずの冰点もたった数時間だけど戻る事が出来た。」
あれは嘘ではない。そう僕は確信している。しかし、反応は一向にない。
物音しない暗闇というものは不安を煽るものがあるが、僕はそれに負けじと声を張り上げる。


「それで丸く済んだはずなのに、どうして話は続いているんだ!」

悲鳴のように僕の声は虚しく反響し、僕自身の耳に再度舞い戻った。



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  • 2011.04.10 Sunday
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  • 19:25
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